赤福、御福、吉兆、ミートホープ、比内地鶏、宮崎地鶏、石屋(白い恋人)、不二家、雪印…。挙げれば切りのない食品偽装問題。責任はもちろんこれらの会社の経営者にある訳だが、隠れた責任者は農林水産省の役人である。
事実上、食の偽装を認めた、いや、積極的に指示したのは、農林水産省の役人である。
例えば、原材料や産地表示がJAS法によって定められているが、例外がある。調理された食品である。野菜単体で売れば、産地表示が必要であるが、野菜サ ラダにすれば、産地表示は必要ない。牛肉単体で買うなら、安全な国産牛肉(今は安全でなくなった。松岡農水大臣が殺されてすぐ、国内産牛肉のBSE —— 正しくはMCD=Mad Cow Disease 狂牛病。BSE=Bovine Spongiform Encephalopathy、encephalopathyなどという普通の英和辞典にも載ってないような言葉を使うな—— の全頭検査は廃止されたら しい。恐ろしい裏の圧力があるようだ。)を選んで買う事ができたが、牛丼を買えば、そこにどんな肉が使われているか判らない。ホルスタインの廃牛かも知れ ないし、BSE感染牛かも知れない。どんな肉が使われているか判らない以上、絶対にBSE感染牛ではないとは言い切れない。
「本みり ん」という言葉がある。本来みりんはみりんであってそれに本物も偽物もないはずである。「みりん」か、みりんでない「偽みりん」かのどちらかである。しか し醸造でない偽みりんが「みりん風調味料」などという表現で売られているので、本当のみりんは「本みりん」と書かなければいけない羽目になっている。
だいたい偽物は、偽物である事を隠そうとするので、
「仙人印の仙人みりん 和風料理にぴったり みりん風調味料」
などと表示されている。最も肝心な「みりん風調味料」という部分が、小さく書いてある。こんな表示でもいいのだ。農林水産省が認めたからいいのだ。しかし本来は、偽物は偽物である事を最大の表示にしなければいけないのではないのか。「みりん風調味料 仙人印の仙人みりん 和風料理にぴったり!」
こう書くのが道徳的な表示であろう。各種保険の約款も、読めないような小さな字で書いてある。テレビのCMでも、肝心な事は小さな文字で一瞬だけ表示される。とても読む時間のないぐらい短い時間の表示である。
要するにこれらは全て「私たちは法に基づいて、表示しましたよ」というエクスキューズ(言い訳)に過ぎない訳で、この中身の伴わない言い訳に過ぎないことを認めてきたのが、役人どもである。
最近魚が捕れなくなってきているので、深海魚を食用に当てようとしている。それはそれで結構なことである。しかしこの深海魚をその本当の名前で表示せずに、まるで昔から日本人が食していた魚のような名前をつけて販売するなどという詐欺的行為がまかりとおっている。
銀ムツとして売られている魚がある。場合によっては銀ダラと表示されている。これはメロあるいはマジェランアイナメと呼ばれている魚である。「メロある いはマジェランアイナメでは売れないから」とか「美味しいから名前はウソでも良いではないか」などという言い訳の下に、在来魚のような名前で店頭に並ぶ。
私は深海魚であろうが何であろうが、食べられれば食べればいいと思う。美味しいのならさらに良い。「美味しいから名前はウソでも良いではないか」というのは全く逆の卑怯な発想で、本当に美味しいのなら、堂々と本名で売れば良いではないか。
このような国民をバカ扱いした表記の方法を認めてきた、自分たちだけは賢いと思い込んでいる役人どもの行為が、現在の偽装ラッシュの根源にあるのだ。
多くの国民がバカだというのも、間違いなく事実である。しかし国民全部が全部バカではないし、こういった国民を愚弄した詐欺的行為が、いつまでも続く訳がない。
因果応報、行いは報いとして必ずかえってくる。詐欺師役人どもも、自分の行為が自分の子供や孫にかえってくる事を知ったとき、どんな顔をするのだろうか。それでも「自分さえ良ければ」と嘯くのであろうか。
【今日の詐欺師:役人】
