もう30年以上も前のこと、「現在のまま石油を使い続けると、後30数年で採掘され切ってなくなる」と言われていた。その説が正しけれ ば、もう既に石油 は 枯渇していなければならない。当時の石油の使用量に比べて現在は格段に多い訳だから、30年どころかもっと早くになくなっていなければならないはずであ る。ところがである。
> 世界の石油が枯渇するまであと「68年」−。石油鉱業連盟が29日発表した平成17年末の世界の石油・天然ガス資源 に関する評価で、こんな見通しが明らかになった。同連盟は5年に1度この評価を実施し、12年末評価の石油枯渇年数「79年」から、見通しを11年短縮し た。未発見資源量が縮小しているうえ、中国やインドを中心に石油需要が急増したため、枯渇への”カウントダウン”が早まった格好だ。
報告書では、世界にある未発見資源を含めた石油の可採資源量が、3兆380億バレルと前回評価とほぼ同水準と試算。ただ、中国などの需要増で年間石油生産 量が 300億バレルに膨らんで可採年数が縮まると予測した。石油の可採年数は、既に確認されている埋蔵量で37・6年、技術革新などによる採掘量の拡大で 16・6年、未発見資源で13・9年分と予想する。
一方で、天然ガスの枯渇年数は98年と予想。うち、既に確認されている埋蔵量で50・7年分、技術革新で30・2年、未発見資源で17・32年と試算、将来は石油を天然ガスが補うと予想する。
そして石油が採掘され切った68年後には、「石油はあと××年で枯渇する」などという発表がなされていることだろう。永遠に「石油は何年後かには枯渇する」と言い続けられる、つまり石油は無尽蔵にあるのだろう。
これは私の勝手な妄想ではない。「トーマス・ゴールド」という科学者が、「石油は地球の地下深層から湧き出てくるものである」という説を述べている。(「地球深層ガス—新しいエネルギーの創生」)
推定石油埋蔵量のこの数十年の変化は、数年事に新しく書き換えられ、常に増える方向にある。現時点で「あと68年」もつのだから、30年ほど前の時点で 言えば、100年ほどの埋蔵量があった事になる。当時の石油消費量(現在の60%程度)からすると、もっと長い年月持つと発表されていてもおかしくない。
だから、これが科学的に誠実に出されたデータだとしても、あまりにも誤差が大きいので、データとして信用できない。300%以上の誤差なんて、誤差とは呼べない。デタラメと呼ぶ方がより正確だ。
さらにこのデータが、ある意図をもって流されているとしたら、私たちはそれを全く無視するというのが正しい反応である。石油が枯渇するという不安感を煽ることによって、得をする奴がいるということに他ならないからである。