友人と会うために街に出た。京都市役所の前の広場でフリーマーケットをやっていた。こういうものを目にするのは初めてで興味を引かれたので、少し見てゆく事にした。
地面にテープが張って、一坪から二坪ずつぐらいに区画分けされている。
見渡すと、ほとんどの人が衣料品を出品している。それも大量の衣料品である。大きなテントを立てている所もある。百貨店などの衣料品売り場におかれてい るハンガー台などの什器を設置している所もたくさんあった。また眼鏡ばかり売っている所、家庭雑貨ばかりうっている所もある。
私は、これは衣料品店や眼鏡店、雑貨店などが集まって、アウトレット商品を売っている会場なのだなあと思っていた。ところがその中に少数だが、本やCD、少量の衣類などを並べている、どう見ても素人さんが開いていると思われる店もあった。
私は疑問に思ったので「どうして商売の会場の中に、素人さんがいるの?」と、友人に尋ねてみた。友人はここらあたりの比較的近所に住んでいるので、時々このフリーマーケットに顔を出しているという。
「何言ってるの。これはフリーマーケットだから、素人さんのためのものだよ。素人が家にある余ったものを、こういう所で売って、無駄がないようにしているんだよ。そういうのを『フリーマーケット』って言うんじゃないか。」友人は私の無知を笑いながら答えた。
「でもさ、この人たち(大量の衣料品をおいている店)はプロでしょ。ほらそこ見てご覧よ、サイズが合わないって言うと、違うサイズを箱の中から出してきているよ。素人が家にあるものを出品するのに、同じ服の違うサイズがあるわけないじゃない。」
「それに、あのテント。あんなの普通家にないよ。それにあの什器類、よくお店に並んでいるようなやつじゃないか。どうして素人さんの家にあんな什器があるんだ。」私は友人に言った。
「そりゃね、建前は素人さんのためのもの。プロはお断りになっているよ。でも素人だけなら、こんなにたくさん出店されないだろう。ほとんどは問屋さんの在庫流れか、古着屋さん、古道具屋さんだよ。」
「だいたいひと月に一回か二回のペースで、いろんな団体がフリーマーケットをここ(市役所前)で開いているから、とても素人の出品だけじゃまわらないさ。ほらそこの大きなテントの所、あの人毎回いるよ。」
ふうん、そういうことか。私は理解した。要するに、まあいろいろな市民団体とかNPOとかそういった所が、資金稼ぎのためにフリーマーケットを開催して いるのだ。100以上もの店から出店料をとって儲けている訳だ。出店料は一軒あたり3〜4000円じゃないかと友人は言っていたから、これ一回で3〜40 万円は、フリーマーケットの主催者の懐に入ることになる。
出店している業者も、一日3〜4000円の格安の出店料で、一日商売ができるからお得なんだな。JRの駅や高速道路のパーキング、それから百貨店などの場 合、出店料は売り上げの3割ぐらいが相場である。一日50万円の売り上げなら15万円が出店料になる。それに比べれば、断然お得な出店料である。
しかし考えてみると、これは京都市が市民のために土地を貸しているものではないのか。一部の市民団体や業者の利益のために土地を貸しているのではないはずであ る。おそらく京都市はこの市役所前広場を、無料か格安の料金で貸しているに違いない。とすると、一部の団体や業者の利益の為に使われているフリーマーケッ トは、問題があるのではないか。
私はこの疑問を友人にぶつけてみた。すると友人は、そんなことは大した問題じゃないと言う。
「どうせ空いている土地なんだから、別に誰かが損をする訳じゃないし、いいんだよ。」
「それより迷惑なのは、周辺の違法駐車だ。市役所のまん前は警備員がいるだろう。市役所の前は警備員が違法駐車を排除している。でもそれは市役所のまん 前だけだ。だからフリマに荷物を運んできた車は、ほらそこ、少し離れたところに違法駐車して荷物の積み降ろしをしている。」
「そこバス 停だろ。バス停の前にでも平気で駐車して荷物を降ろすんだよな。それからこっちはマンション、そこはお店。ずらりと違法駐車が連なっている。フ リマのあるときは、この辺りの人たちは、みんな迷惑しているんだ。市役所は自分たちの体裁だけは良くしようとして、市役所のまん前だけは警備員を置いて、『違法駐車をさせないようにしています』というふりだけするんだよ。」
【今日の詐欺師:京都市役所、市民団体・NPO・業者】
