2007年12月9日日曜日

No.00037 違法駐輪

 

 京都市には、「京都市自転車等放置防止条例」というものがある。都市部の多くは、これと似たような条例があることだろう。他の地方はどうかわからないが、少なくとも京都市の場合、この条例は全く機能していない。

  放置禁止区域には、放置禁止区域であるにも関わらず、常に自転車が放置されている。バイクも多い。それらを見ると、放置しないようにという警告のシールが 張られている。警告が貼られているということは、ある程度監視はされているということだ。しかしながらよく見ると、同じ自転車に何枚もの警告シールが貼ら れている。多いものでは5枚も6枚も貼られている。これはどういうことか。

 これはつまり、警告のシールは貼るだけで、撤去など強制的な排除はほとんどされていないということを物語っている。

  警告はするが実際に撤去はしない。たくさん貼られたラベルは、このことを意味している。一台の自転車にたくさん貼られた警告シールを見た人はどう思うだ ろうか。ああ、警告はあるが実際に撤去はされないのだな、と思うに違いない。つまり警告のシールは「実際には撤去しませんよ」という事実を明示しているだ けのことである。

 警告をする以上は、必ず撤去する。こういう例を積み重ねないと、警告自体が空文句になってしまう。そういうことが、市の担当者にはわからないのだろうか。

 さらに、この警告のシール、製造するのにおそらくそれなりの金額がかかっているだろう。それを貼るために人件費も、おそらくかなりかかっているに違いない。それらは全て税金である。税金をつかって無駄な、いやかえって違法駐輪を助長する行為を、京都市は行っているのだ。

 去る10月12日〜14日の三日間、京都市の中心部「歴史的都心地区」で「トランジットモール(公共交通機関&歩行者専用道路)」の社会実験が行われた。主催者(京都市その他)によると、この実験の間は、放置自転車の撤去も厳しく行うとのことであった。

  しかし実際には、普段と変わらない放置自転車であった。バスでこの実験地区まで行ったが、バスを降りて歩道に上がるのに、放置自転車が邪魔で車道を大き く回らなければならなかった。実験とはいいつつ、大変抜けの多い、非科学的な実験だったので、その結果は信頼するに足らないものであろう。

  違法駐輪をやめさせるのは、実は簡単である。徹底して排除すれば良いのである。そのためにはお金がかかる? 費用は当然、違法駐輪をした者に支払わせれ ばよいのだ。もちろん駐輪場の整備など、行政としてやらなければならないことはたくさんある。しかし条例を決めた以上、まずはそのルールを守らせることが 肝心である。守らなくても良いルールなら、ないほうがましだ

 結局はポーズだけ。「私たちは一所懸命やっています」という形を作るためのものでしかない「自転車等放置防止条例」はなくした方がよい。あるいは徹底してルールを守らせる努力をしろ。

【今日の偽善者:京都市】