2007年12月20日木曜日

No.00042 これでも甘い、懲役23年判決

 

 「No.00040酒を飲んだら危険運転だろ」にも同様の事を書いた。それよりこちら尼崎の裁判官の方がまだましだったようだ。

 しかし遺族関係者の声は「判決は甘い」「飲酒運転を増加させる」と厳しい批判である。

 そりゃそうであろう。最高懲役30年を下す事ができるのに、23年の刑にしかしなかった。この7年は一体何なのか。では一体どの程度の危険運転なら、懲役30年の刑になるのか。三人ではダメで、十人ぐらい殺さないと、懲役30年にはならないのか。

 被告が反省しているとのことであるが、これだけ重大な事故を起こしておいて、反省しない者がどこにいるのか。反省していないとすると、それは過失ではなく故意、つまり交通事故ではなく殺人事件である。

 つまり国会の定めた法の最高刑が懲役30年でありながら、実際に懲役30年が下される事は事実上ないということである。これは、三権分立のルールを侵してはいまいか。

  殺人罪について、一時「一人を殺しても死刑にはならない」という不文律というか慣習というものがあったようだが、これも司法が立法権を侵していると言え る。なぜなら国民の代表である国会は殺人の最高刑を死刑と定めているのである。一人でも殺せば、死刑を適用する場合があって良いのである。それを立法が かってに「一人殺しただけでは死刑にしない」などと決めるのは、明らかに立法権の侵害である

 この尼崎の件についても、ではどういう場合に危険運転致死傷罪で懲役30年になるのか、司法は明確なラインを国民に示すべきではないか。もし懲役30年という裁きを下す事例が存在しないのなら、司法による立法権の侵害である

  再び言う。酒を飲んで凶器である自動車を運転すれば、もしかしたら人を殺すかも知れないと思うのが自然である。教習所でも免許書き替え時の講習でも、そ ういう事は教育されるから、運転免許を持っている者は全員知っている事である。運転免許を持っていなくても、子供でも、当たり前にわかる事である。

 つまり飲酒運転による事故は未必の故意といえる。飲酒運転で人を殺した者は、未必の故意の殺人罪で裁かれるべきである

【今日のバカ:やっぱりやっぱり裁判官】

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尼崎3人死亡事故、飲酒運転の被告に懲役23年判決  兵庫県尼崎市で6月、酒を飲んでワゴン車を運転し、歩行者をはねたうえ、タクシーに衝突して計3人を死亡させた事故で、危険運転致死罪に問われた大阪府豊中市の建設作業員宮田和弘被告(50)の判決公判が19日、神戸地裁尼崎支部であった。  渡辺壮裁判長は、有期刑上限の懲役30年の求刑に対し、「アルコールの影響で起こした極めて危険かつ悪質な犯行。反社会的で、身勝手極まりないが、反省の意思を示している」と述べ、同23年を言い渡した。   判決によると、宮田被告は6月23日午後9時半ごろ、尼崎市南塚口町の県道でワゴン車を飲酒運転して、歩行中の井上和俊さん(29)をはねて死亡させ た。さらに、約800メートル南で対向のタクシーと衝突し、運転手の岩田浩一さん(48)と乗客の松村美津子さん(68)を死亡させた。